七尾で想いを繋げていく。雑貨とわらび餅の着物屋さん 夢華 ゆめはな 田中眞澄さん・佐藤淳一さん

お店

雑貨とわらび餅の着物屋さん 夢華 ゆめはな
田中眞澄さん 佐藤淳一さん


田中真澄さん
七尾市和倉生まれ。現在、夢華の代表取締役。
2011年からは、「能登を元気にするおっかちゃん」をテーマに、赤い割烹着隊としても活動していた。
佐藤淳一さん
七尾市生まれ。
警察官として10年間勤務。結婚後は奥さんの実家である夢華の経営に参画する。

呉服屋の精神



真澄さんは、和倉生まれ。父の代から続けていた呉服屋を受け継ぎ、途中、店舗は名前も場所も変わったが、呉服や商いの精神を大切にしつつ、現在の店の形まで成長させてきた。
眞澄さん:「元々は大手町、今のリボン通りでブティックを経営していました。でも、これから車で移動する人が増えると見込んで、今の場所に店を移してきたんです。ここは郊外ですが、車で来たらすぐですし、お客さんが駐車する場所も確保できる。時代と共にお店も変わっています」
現在ゆめはなは、着物屋という本来の姿に加えて雑貨なども扱い、ランチもできるカフェも併設している。時代と共に、店の装いも変わってきている。また娘の夫である淳一さんが経営に加わってからは、ふやき菓子などの商品開発にも力を入れてきた。

“赤い割烹着隊”


そうしてゆめはなの経営をする一方で、眞澄さんは『赤い割烹着隊』という団体をたちあげて活動してきた。
眞澄さん:「きっかけは2011年の震災。あの出来事は私にとっても本当にショックで、いたたまれない気持ちでした。当時、たまたま見ていたテレビに映ったおじいちゃんがこう言ったのよ。『何にもいらない、家族さえいれば幸せだ』と。その言葉は、本当に辛くて忘れられなかったんです。その時に、わたしも体が元気で余裕さえあれば、現地に行って助けてあげたかったけど、それは難しかった。だから、私たちは私たちで、地域の人たちで手を取り合って一生懸命になにかできたらいいなと思って、赤い割烹着隊を作ることにしました」

「やらなきゃいけないことを一つ一つこなしていけば、そんなに大変ではない」


赤い割烹着を着た、元気に頑張る能登のおっかちゃん。
のと鉄道の観光ツアーで観光客のおもてなしをしたり、ラジオ番組で七尾の歴史や魅力を伝えたり。能登の応援部隊として、色んな場所で能登を発信してきた。
団体名でもあり、活動時には着用している赤い割烹着にも意味が込められている。
眞澄さん:「当時、この店の取引先の方で、たまたま赤い割烹着を持っていた方がいたんです。赤色の割烹着なんて珍しいですよね。それを頂きまして、活動するときはみんなで着ることになったんです。赤という色は、見ていると力強くて元気になるんですよ。女の人も、昔から病気になると赤い下着を身に着けるというでしょう。赤い色を身に着けて色んな人を元気にしようと思っていました」

おっかちゃんたちを支える存在


そんな眞澄さんたちの活動を支えてきたのが、娘の香織さんと夫の淳一さんだった。淳一さんは、警察官として10年間勤務していたが、香織さんとの結婚後、ゆめはなの経営者として商品開発などを主に行い、赤い割烹着隊にも事務局的な存在として関わり続けてきた。
淳一さんー「割烹着隊のおっかちゃんたちがしたいことを、裏方として支えてきました。ゆめはなの商品も、実は、割烹着隊が能登の魅力を発信していきたいと考える中で生まれたものと言えます。おっかちゃんたちの代わりにマーケティングや開発の部分を担ってきました」
眞澄さんー「うん、淳ちゃん(淳一さん)には本当に助けてもらったよね。私たちおっかちゃんたちが持っている想いを繋いでくれる存在です。お金はなかったけど、何とか頑張ってやってたよ」
淳一さんー「活動するためには活動費を捻出することも重要でしたけど、貰えたらラッキーというぐらいの気持ちやったね(笑)」
眞澄さん:「そう、お金とかよりも、やっぱりやろうという気持ちと仲間が問題。きっかけは何でもいいんですよ。お金がなくても熱意が伝われば何でもできる。そういう気持ちで、ゆめはなも赤い割烹着隊の活動もやってきました」

この土地で商売をする意味



現在、『赤い割烹着隊』は活動を中止している。昨年、眞澄さんが病気を患ったこととメンバーの高齢化が理由だ。だが、能登を応援したいというおっかちゃんたちの想いが消えたわけではない。眞澄さんは、赤い割烹着隊の活動を若い世代に引き継いでほしいと考えている。そして、事業経営や地域で活動をする若い世代の人たちには、大切にしてほしいことがあるという。

眞澄さん:「亡くなった父がよく言ってたんですけど、まずその土地に惚れ込め、と。言わば郷土愛ですね。そして、自分の想いを込めた店を作っていくんやと。若い人たちには、生まれた土地を大事にしてほしい。あと、何をやるにしてもそうですが、最終的には人と人のつながりが大事。商品を売るにしても、自分を買ってもらうぐらいの気持ちでやらなければいけません」
淳一さん:「確かにその通り。今はネットで何でも買える時代。わざわざ店舗に来てもらって商品を買ってもらうということには、人と人の繋がりがとても結びついている。顔を見なくて買える時代にこの店に買いに来てもらうということの意味を考えていかないといけないです。七尾に来てもらうという意味みたいなことは、赤い割烹着隊の活動でも考えてやっていました。のと鉄道の車両内でおっかちゃんたちがガイドをするという活動のときは、方言丸出しでガイドしてもらってました。それは、やっぱり能登という土地を感じてもらうためにやっていたんです。この土地を感じてもらわないと、この土地に来てもらった意味がないですから」
眞澄さん:「そんなこともしてたね。割烹着隊として出演したラジオ番組でも、方言は出してたよ。方言一つ、能登や七尾のことを感じてもらえる要素。この店も、赤い割烹着隊もそうだけど七尾という土地でやる意味があるということを常に考えていかんとね」

想いを込めて…


眞澄さんの想いは、ゆめはなという形になり、淳一さんたち若い世代に伝わっている。
「ただの物売りだけになったらだめなんです。お菓子一つとっても、その一つ一つに想いを込めていかないかん。夢華という名前も、夢を持ち華やいで、人生生きていきたいという想いを込めています。今は娘夫婦が継いでいますけど、その想いは今も変わりません。想いというものが一番大切なことなんです」

雑貨とわらび餅の着物屋さん 夢華 ゆめはな
〒926-0855 石川県七尾市小丸山台3-21
TEL: 0767-52-5028
フェイスブックページ: https://www.facebook.com/littlepicnicwakura/

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