突然の移住宣言。新しい環境を受け入れ、工夫したら楽しい生活が待っていた。中山栄子さん

ヒト・くらし

中山栄子さん


山形県山形市出身。
東京の美大入学後、広告代理店に12年勤務。2017年5月に能登島の須曽へ移り住む。

画家志望から羊毛作家へ



子供の頃から絵を描くことが身近で、画家を目指し東京の美大へ進学。
その後、絵画の経験を活かせる広告代理店に就職。勤続10年を過ぎた頃に会社を離れ、個人で幅を広げようとアシスタントを募集していた矢先に体調を崩し、絵画の仕事から離れる。
20代後半から幼い頃より趣味だった編み物を本格的にはじめる。

突然の移住宣言


「手編み師範」の資格を取得した経歴をもとに、東京にてニット教室を開いて数年が経った2017年の春、栄子さんのご主人の仁さんから突然「能登への移住」宣言を受けた。
「普段とても穏やかな仁さんは数年に一度、私が何を言っても考えを曲げないときがある」と理解していた栄子さんは驚いたものの了承、専門学校の製図の講師など、予定していた東京でのいくつかの仕事を全て断り、能登への引っ越しの準備を進め始める。

仁さんの「仕事で金沢を訪れた際に能登地方まで足を伸ばしたらこんな場所に住むのも良いな」という思いからの決まった移住だったため、知り合いもおらず最初は手探り状態だったという。
当初は能登半島の最先端を予定し足を運んでみたものの、田舎暮らしを希望しているわけではない栄子さんにとって、「そこは色々なものが思った以上に振り切れていたため自分が暮らすことが想像できない」場所だった。
能登半島巡りの最後に訪れた能登島は橋でつながっていることや市内に電車が通っていることで「ここなら住んでも良いかな。」と伝えたところ仁さんはあっという間に空き家を見つけ、移住宣言から1年も経たない2017年5月には島での暮らしが始まった。

新しい環境を受け入れ、工夫したら楽しめてきた


七尾で暮らし始めて1年。
もともと外へ出る機会が少ない生活だったということもあり思ったよりマイナス面はなかった。
「当初はこの環境に合わせなくてはと思って、能登に寄せようと思っていたけれど私も快適に暮らしたい。100%この土地の暮らしに寄せるのではなく土地のルールを理解し守っていたら、私らしく暮らして良いことに気づき、気持ちが楽になった。」という。

ネット環境にも助けられている。「東京では国立や三軒茶屋の奥さま向けに教室をしていたけど、能登の奥さんは日中みんな働いているのでそれは難しい。どうしたら自分の好きなことを続けられるのだろうと思った時に東京でしていた一部はネットで補えることに気づいた。
移住前はパソコンやインターネットに触れる機会が少なかったが、七尾に住み始めてからは積極的に使うようになった。最近はskypeで東京の生徒さんの疑問に対応している他、snsで日々の活動を発信。それを見たり噂が広がり、現在は数名の方が定期的に能登島に習いに来ている。


また、今までは市販の糸になった状態の羊毛を購入していたが、紡ぐ行程から制作するようになった。「移住前にいつか紡ぐ、織る、編む、結ぶ、縫うの行程を一通りできればと思っていたけど、七尾に住み始めたら余裕が生まれた。生徒さんの分の糸車を追加で購入し、現在は羊毛を紡ぐところから教えている。
もともと突き詰めることが好きな栄子さん。「突然の環境の変化だったけど受け入れ工夫してみたら意外と東京と変わらない生活を送れています。自分にとって何が大事かを理解し、吸収したり発信したいと思っていればどこに住んでも楽しめる。」ことに気づいたという。

編み物をきっかけに人が集まる空間をつくっていけたら


今後は仁さんと能登島内で「けいどだまカフェ(仮)」開店に向けて力を入れる他、羊毛関連の活動があれば積極的に参加していく予定だ。

「編み物は手を動かしながら情報交換ができたりと効率が良いので働き者の能登の方にもぴったり。少しずつ進めている「けいとだまカフェ(仮)」の空間は、編み物に興味がある方はもちろん、家にこもりがちの高齢の方が外に出るきっかけになれたら。」と、その時々を十二分に楽しめる栄子さんのワクワクは七尾で益々広がっている。

けいとだまcafé(仮)
〒926-0213 石川県七尾市能登島須曽町23-26
website https://www.keitodama-cafe.com/
facebook https://www.facebook.com/keitodama.cafe/
instagram https://www.instagram.com/keitodama_cafe/

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